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分断を乗り越えて変革を起こせるか

「Detroit:Become Human(デトロイト:ビカムヒューマン)」

2018年に発売された、アクションアドベンチャーゲーム。

舞台は、人間そっくりのアンドロイドが開発され、労働力として普及している西暦2038年のデトロイト。

人間の失業率が悪化し、アンドロイドに対する排斥感情が高まっている社会で、三人のアンドロイドを主人公としてストーリーが進んでいく。

・警察組織のサポートとして導入されている、最新試作男性型「コナー」

・薬物中毒の父と幼い娘の家庭で稼働する、家事用モデルの女性型「カーラ」

・ロボット工学の第一人者から、著名な画家の介護用として贈られた男性型「マーカス」

それぞれの物語を同時進行させながら、人間からの暴力や差別感情にさらされる彼らは、やがて意思や感情を持つ「変異体」と呼ばれる存在に変化して、自らの生き方を選択していく。

プレイヤーは各キャラクターの行動を選択し、それによってシナリオが分岐、ストーリーが変化する。

選択によっては死亡する主要人物もおり、感情移入して見ていると「じゃあどうすればよかったんだよ!」と憤ることもある。ロボットである自分(=プレイヤー)が人間に対して強奪や殺傷などを行うと、ロボットに対する世論パラメータが下がってしまい、エンディングの展開に影響したりもする。

まるで映画やドラマを観ているようなストーリーのゲームだ。人間に逆らうことを許されず、暴言や暴力に無言で耐え、公共バスは人間とアンドロイドのスペースが分けられている。どうしても、現実の人種差別の歴史を想起させられる。ロボットの廃棄所は強制収容所の大量虐殺を暗示するように壮絶で、国境を越えるクライマックスでは移民問題と向き合うことになる。

Black Lives Matter やウクライナ侵略が起こる前に作られたゲームだが、内容は明らかに今この現実と地続きだ。

立場の違う三人のキャラクターを操作する中で、プレイヤーは常に選択を迫られる。現実ではできないような大胆なことでも、ゲームであればシミュレーションできる。

できれば誰も傷つけたくない、善き人でありたいという感情で模範的な選択もできるし、逆に、同類である他のロボットを切り捨てていく選択も可能だ。ここで銃を取るか、取らないかの選択が、後に誰かの命を奪うか否かの分岐に繋がったりする。そして、バディや疑似家族といった、他者との関係性を構築する中で、胸を打つ美しい場面にも遭遇できる。

誰かのプレイを見て「この人はこういう時こう考えるんだ」とプレイヤーの思考に思いを馳せるのも面白い。

膨大な選択の末に、様々なエンディングが存在するこの作品は、プレイヤーや見ている人に

「では、現実であなたはどう行動するか?」と問いかけているように思う。

勿論、ゲームと同じ選択をしたからと言って、現実が同じように展開するとは限らない。

ただ、相手が思考を持ってこの社会に存在する限り、それは自分と同等のいのちであると知ったはずだ。

物語の中で私たちは見てきた。彼らの葛藤を。自由と尊厳を求めて対話しようとする姿を。

お互いに同じものを求めているのであれば、奪い合わずに世界を変えていくことができないか。

私たちがその行動を選択できるチャンスを、仮想世界から与えてくれる作品だと感じている。

天和が見た動画(Youtubeで無料で観られるもの)

Goraku Games 世界一観やすい「デトロイトビカムヒューマン」超観シリーズ(観るゲーム)映画風

キヨ。プレイヤーの選択で未来が変わる神ゲー「Detroit Become Human」

上級騎士なるにぃ 超わかる!「Detroit Become Human」【ストーリー考察】

■密度の濃いストーリーのため、とても長いです。年末年始のお供にぜひどうぞ!

■実況プレイは実況者の個性(喋り方やプレイスタイルなど)と自分の相性がとても大切なので、合わないなぁと思ったら他の実況者の動画を探してみるのが良いと思います。

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